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採用でトラブルにならないために──就職差別につながるおそれのある14項目とは?

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採用活動において、応募者の「個人情報の取り扱い方」が今、大きく問われています。特に、応募者の能力や適性と直接関係のない情報を面接や書類で聞き取ったり、安易に収集したりすることは、就職差別につながるおそれがあり、企業の信頼を損ねかねません。

【法的根拠】職業安定法第5条の4

職業安定法 第5条の4(個人情報の取扱い)
事業主等は、募集に応じて労働者になろうとする者等の個人情報を収集し、保管し、又は使用するに当たっては、業務の目的を明らかにした上で、その目的の達成に必要な範囲内でこれを行わなければならない。

つまり、収集する情報は「業務上の必要性」に基づいたものでなければならず、目的外の情報を集めることは不適切とされます。

採用選考で配慮すべき「就職差別につながるおそれのある14項目」

厚生労働省では、応募者の適性や能力とは直接関係がなく、就職差別につながるおそれがあるとして、以下の14項目について特に注意が必要であるとしています。

  • 本籍・出生地に関すること
  • 家族に関すること(職業・続柄・健康・病歴・地位・学歴・収入・資産など)
  • 住宅状況に関すること(間取り・部屋数・住宅の種類・近隣施設など)
  • 生活環境や家庭環境に関すること
  • 宗教に関すること
  • 支持政党に関すること
  • 人生観や信条など思想に関すること
  • 尊敬する人物について
  • 思想
  • 労働組合や学生運動への参加歴
  • 愛読書・購読新聞・雑誌など
  • 本人の適正・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用
  • 身元調査の実施
  • 合理性・客観的に必要性が認められない採用選考人の健康診断の実施

なぜ問題なのか?──「仕事に関係のない質問」が不利益を生むおそれ

採用で重視すべきなのは、応募者の「職務を遂行する力があるかどうか」です。
しかし、上記の14項目は、出身地や家族構成、宗教・思想、家庭事情など、その人の能力とは無関係なプライベートな内容です。

こうした内容を聞くことによって、応募者の本来の力を正しく評価できなくなったり、不利益な扱いにつながる可能性があります。そのため、「就職差別につながるおそれがある」とされ、慎重な対応が求められているのです。

実際の違反事例(令和4年度 ハローワーク調査)

令和4年度にハローワークで確認された、個人情報の不適切な取り扱い事例は802件。具体的な傾向は以下のとおりです:

  • 家族に関すること:37.3%
  • 思想・信条に関すること:11.3%
  • 住宅状況:10.6%
  • 本籍・出生地:6.2%
  • 健康診断等の情報:1.6%
  • その他(趣味・嗜好・交友関係など):33.0%

採用の場面でも「業務上必要な情報かどうか」を意識する

応募者への質問や書類での情報収集を行う際は、

  • その情報は、業務にとって本当に必要か?
  • 応募者の適性や能力を判断する上で妥当な内容か?

という観点で確認することが大切です。

まとめ

就職差別のおそれを避け、安心して応募できる採用活動を行うことは、優秀な人材との出会いにもつながります。
今一度、面接マニュアルや応募書類の内容を見直し、「必要な情報」と「配慮すべき情報」を正しく区別する体制づくりをおすすめします。

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