中小企業の経営者や人事担当者の方から、こんな声をよくお聞きします。
「人事制度って、大企業がやることでしょ」
「評価制度なんて、まだそんな規模じゃないし…」
確かに、立派な制度を入れても運用できなければ意味がない、というのも一理あります。
ですが実際には、社員数が30人を超えたあたりから、制度が“ないこと”による不満やすれ違いが生まれてくるのが現実です。
今回は、
- 人事制度がないことで起きやすい問題
- “立派な制度”でなくても十分な理由
- 中小企業がまずできる最初の一歩
について、お伝えします。
人事制度がないと起きやすい問題
制度がなくても、なんとなく会社が回っているうちはよいのですが、
少しずつ以下のような“見えない不満”が現れてきます。
- 評価の基準がわからない
- なぜあの人が昇給して、自分はしないのか
- 頑張っても頑張らなくても同じなら、もう頑張らなくていいかも…
- あの人、私が何をやってるか分かっていないよね
こうした声が積み重なると、離職やモチベーション低下、社内の分断につながっていきます。
また、管理者層が育ちにくくなるという課題もあります。
部下への評価の仕方や、目標設定の基準が不明確なままだと、育成やマネジメントの属人化が進みます。
制度=立派なもの、ではありません
「人事制度を入れましょう」というと、「等級表?評価シート?賃金テーブル?」と身構えられることがありますが、
大切なのは会社としての意思を明文化することです。
たとえば、
- どんな役割の人が、どのような成果を期待されているのか
- どんな姿勢やスキルを評価しているのか
- 給与は何に基づいて決めているのか
これらが社内で共有されていないと、「なんとなく昇給」「なんとなく不満」が生まれます。
だからこそ、まずは小さく・シンプルに始めることが大事です。
制度づくりの第一歩は「言語化」
以下のようなところから、少しずつ始めることができます。
- 「新人」「中堅」「リーダー」など、大まかな等級を定義してみる
- 評価の軸を3〜4つだけ決める(例:業務のスピード・正確性・周囲への貢献)
- 給与は成果のご褒美ではなく、役割に対する対価という視点を持つ
評価シートも必ずしも必要ではなく、
「こういうことを期待しているよ」と言葉で伝えられる仕組みだけでも、制度は機能します。
まとめ:制度は“人の不満”を防ぐ防波堤
人事制度は、社員を縛るためのものではありません。
「何が評価されるのか」「どう成長していけばよいのか」という安心感をつくるためのものです。
そして、制度を整えることは、会社の方針を言語化することでもあります。
成果主義でも年功序列でも構いません。自社に合ったルールを明確にすることが第一歩です。
YES社会保険労務士事務所では、
中小企業でも運用できるシンプルな人事制度の設計支援を行っています。
制度までは…と思っていたけど、少し考えてみたい。
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。